目次[閉じる]
CPRM(Content Protection for Recordable Media)とは、デジタル放送の「コピーワンス(1回のみ録画可)」番組をDVDに録画する時に採用されている著作権保護技術(コピーコントロール技術)です。このため、日本国内のデジタル放送を録画する際には、CPRM対応のレコーダー及びDVDメディアが必要です。
写真出典:https://www.iodata.jp/promo/dvd/cprm/
手元に対応している空のDVDがない場合には、ハードディスクに一旦録画した後でDVDを入手し、ダビングすることが可能です。この場合にはダビングと同時にハードディスク側の映像は消去されますし、以降ダビングしたDVD以外のメディアにコピーすることもできなくなります。ただし、現在では制限が若干緩和されており、一定の条件を満たせばハードディスクから9回のコピーと1回のムーブが可能なダビング10が主流になっています。
CPRM 対応のDVDメディアには「MKB(Media Key Block)」という鍵と1枚ごとに異なる「メディアID」という識別情報が記録されております。
録画の時、CPRM 対応のレコーダーが持っているデバイスキーとメディア側に記録されているMKBの組み合わせで「メディアキー」を作成します。映像データはメディアIDとメディアキーによって暗号化されてDVDディスクに記録されます。
録画したディスクは、CPRMに対応した再生機器を使わなければ再生できないようになっていますので注意しましょう。また、データを別のDVDにコピーしても、作成するDVDの「メディアID」がコピー元のDVDの「メディアID」と異なるため、映像を再生することができません。
写真出典:https://www.ztv.co.jp/support/column/2008/pdf/giju_column050.pdf
デジタル放送の番組を録画する場合は、CPRM対応のDVD-RAM、DVD-RW、DVD-R、DVD-R DL(片面2層)ディスクを使うことができます。これらのディスクは、家電量販店などで簡単に入手できます。購入する時、「デジタル放送録画対応」や「CPRM対応」の記載のあるディスクを選ぶようにしましょう。
DVD-RAM:
DVD-RAMは、ディスク単体ではなくカートリッジに入っている形状をしていて、専用のレコーダーが必要です。自由に読み書きができ、書き換えも可能な上に最大容量が9.4GBと高性能なメディアですが、現在ではほぼ出回っていません。
DVD-RW / DVD-R:
一般的なレコーダーでダビングをする場合にはDVD-RWかDVD-Rを使うことになります。DVD-RWは、約1000回繰り返して録画できます。デジタル放送の番組は標準画質(VR方式)で記録されます。データの書き換えや削除をする場合には、DVD-RWを使いましょう。
DVD-Rは、1回だけ録画できます。デジタル放送の番組は、標準画質(VR方式)またはハイビジョン画質(AVCREC方式)で記録されます。データの削除はせず、ディスクの空き部分に追加で書き込みをするだけならば、DVD-Rを選びましょう。
CPRM対応のDVDをDVDプレーヤーで再生する場合には、いずれのディスクもファイナライズ(追加の書き込みができない状態にする)処理をしておく必要があります。
また、パソコンなどで再生する場合にはDVDドライブもCPRM対応のものを用意しなければなりません。パソコンに内蔵されているDVDドライブは、それほど古い機種でなければほぼ対応していますが、外付けドライブに関しては外箱を調べたりメーカーのサイトで確認したりしましょう。
CPRM対応のディスクに保存された映像は、コピーガードがかかっている商用のDVD同様にコピーを作ることができません。ただし、デジタル放送のダビング制限が緩和されたことにより、ほとんどのデジタル放送についてコピーができないディスクを10枚作成することは可能になっています。いずれもCPRM対応のディスクにダビングするという点では共通していますが、1回しか録画ができない制限をコピーワンス、10回までダビング可能な制限をダビング10と使い分けています。
写真出典:http://www.dosv.jp/other/0901/04.htm
コピーワンス
コピーワンスは地上デジタル放送が普及した当初に主流となっていた制限ですので、CPRM対応のレコーダーとディスクがあれば問題なく録画が可能です。DVD1枚にダビングすることができず、アナログ出力による録画はできないなどの制限があります。ハードディスクに保存した録画映像はDVDにダビングした時点で削除されてしまうため、コピーではなくムーブと呼ばれます。
ダビング10
ダビング10は、録画した一つの番組に対し、ディスクへのコピーが9回、ムーブが1回で計10枚のディスクを作成することが可能です。こちらもダビングしたディスクをコピーすることはできません。アナログ出力による録画は1世代限り何回でも可能なため、画質にこだわらなければ無制限にコピーを作ることは可能です。ただし、これらの恩恵を受けるにはデジタルチューナーが搭載されているHDDレコーダーで録画をしなければなりません。また、HDD以外のメディアに直接録画した場合にはコピーワンスの扱いになります。さらに、地上デジタル以外の放送は全てがダビング10とはならないことに注意しましょう。
CPRMを解除するソフトは有料のものだけでなく、フリーソフトでもいくつも見つかります。
CPRMを解除する方法は、各リッピングソフトの使用法に準拠します。まずは解除用のソフトを公式サイト等からダウンロード、インストールしておきましょう。
CPRM Decrypterは、CPRMの解除に特化したソフトで、シンプルなデザインで初心者にも使いやすいです。DVDだけでなくBlu-rayへの録画も可能ですし、メディアプレーヤーでサポートされているメディアファイルに変換することもできます。
CPRM DecrypterでCPRMを解除する方法:
ドライブに録画したDVDを挿入します。CPRM Decrypterを起動して、「ドライブを設定」で使用しているドライブを指定して、出力先フォルダを設定します。c2dec設定に関しては、「c2decの利用を可能にする」と「音声制御情報を除去しない」にチェックを入れておきましょう。画面下の実行アイコンをクリックしたら、DOSプロンプトが開いて作業が進行します。
DVDFab Passkey for DVDは、 CPRMだけでなく、CSS、リージョンコード、RipGuard、UOP、APS、ARccOSなどのDVDコピーガードを解除することも可能です。無劣化で復号化されたDVDをISOファイルやバックアップフォルダに変換することもできます。また、DVDFab DVD コピー、PowerDVD、ImgBurn、TotalMedia Theatre、WinDVD、DVDFab DVD リッピングなどの様々なソフトとシームレスに連携できます。
DVDFab Passkey for DVDでCPRMを解除する方法:
こちらのソフトは、起動した後でDVDディスクを挿入してから、リージョンコードの設定をすると、自動的に解析とCPRMの解除が始まります。解除が完了した後、システムトレイ内のDVDFab Passkey for DVDのアイコンを右クリックして、ハードディスクもしくはイメージファイルへのリッピングを選ぶと指定した形式で保存可能です。
4Videosoft DVD リッピングは、有料のソフトで、CPRM以外にもAACSやCSSなどの代表的なコピーガードに対応しています。DVD-5やDVD-9、DVDフォルダ、MP4やAVIなどの各種メディアファイルへの変換もできますので、録画した映像を任意のプレーヤーで見たいという場合に他のソフトを用意する必要がありません。
4Videosoft DVD リッピングでCPRMを解除する方法:
ソフトを起動してディスクのロードを選び、ナビゲーターモードにします。DVDディスクが自動的に読み込まれた後、プロフィールの設定画面が表示されますので、ビデオフォーマットや保存先を選択しましょう。設定が終わったら、変換ボタンをクリックすればスタートします。変換後に出力フォルダを開くようにしておくと、変換後の動画が保存されているフォルダが開きますので、出力したファイルを探す必要もありません。
CPRMに限らず、コピープロテクトの技術は改正著作権法においては解除しただけで違法行為とみなされます。刑事罰はないものの、被害者が親告することで親告罪扱いになって慰謝料の請求等がされますので、注意しましょう。
なお、CPRM等のガードを解除して複製したディスクやファイルを第三者に配布したり販売したりした場合は、刑事罰の対象になって慰謝料だけでなく罰金や懲役等が科せられる可能性が生じます。知的好奇心としてCPRMの解除に興味を持つのは特に問題もありませんし、身近な内容なので役に立つこともあるでしょう。ただ、実際の取り扱いには十分注意しましょう。
「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトをお勧めします。目指せ、あらゆるジャンルの素晴らしいソフトを発掘することを。「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトのレビューを更新し続けています。