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一般的とは言い難いMBRやGPTについて、インターネット上では多くの需要があることがわかっています。専門的で避けられがちではありますが、様々なインターネット関連の職種や趣味が増えていくことを考えれば、違いやそれぞれの必要性を知っておくことは重要でしょう。
MBRやGPTといった用語を目にするのは、ハードディスクの初期化時や、外付けハードディスク(以下HDD)・ソリッドステートドライブ(以下SSD)の新規接続時くらいしかないかもしれません。
GPTの方が使い勝手も良く、メリットもありますが、一部ではMBRがまだまだ必要とされています。ここでは、MBRとGPTの違いや、外付けHDDやSSDを対象とした変換方法について、ご紹介します。
画像引用元:https://www.diskpart.com/
MBRは、パソコンに搭載されている記憶装置部分のストレージ管理を行うために、開発されました。パソコンが普及し始めたころは、システムの立ち上げにはBIOSが使われており、現在のようなマルチタスクには対応していませんでした。その後、マルチタスク環境を実現させるべく、開発されたのがUEFIです。
BIOSと違って、UEFIは起動速度が速いことも特徴の一つです。ユーザーからしてみれば、起動時のストレスがより少ない方へ移行するのは、当然の流れとも言えます。
また、大容量のハードディスク(以下HDD)・ソリッドステートドライブ(以下SSD)の登場により、認識領域が2TBまでしかないMBRが採用できなくなったため、より多くの領域管理ができるGPTが開発され、採用されるようになりました。
GPTは、UEFIを管理するために開発されたものなので、GPTでBIOSを管理することはできません。同様の理由で、MBRでUEFIを管理することはできません。
UEFIの起動は、マザーボードに依存しています。現在販売・内蔵されているマザーボードには、BIOSとUEFIの互換性を持ったものが採用されています。マザーボードがUEFIに対応しているかどうかを事前に知ることは、起動ディスクをMBRからGPTへの変換を行う際の、必須事項となります。
MBRは、マスターブートレコードの略称です。パーティション方式としては古く、4つまでしか作ることができません。また認識できるストレージ容量が、2TBまでとなっています。2TB以上のストレージが搭載されているパソコンやHDD・SSDを使用するのであれば、MBR方式は採用しない方が良いでしょう。
GPTは、GUIDパーティションテーブルの略称です。MBRに代わるパーティション方式で、最大128個まで作ることができます。新しく発売となるパソコンのハードディスクは、ほとんどの場合GPT方式で設定されています。
ご自身がお使いのパソコンや外付けHDD・SSDが、どちらの方式を採用しているかを確認してみましょう。
1. Windows7は、[コンピューター]を右クリックし、[管理]を選択します。
Windows8は、[windows]+[R]を同時に押して、[ファイル名を指定して実行]ボックスを表示し、項目欄に「diskmgmt.msc」とタイプして[OK]ボタンをクリックします。
Windows10をお使いであれば、モニタ上の[Windows]アイコンを右クリック、もしくは[Windows]+[X]でシステムメニューを開き、[ディスクの管理]を選択します。
2. [ディスクの管理]画面上にて、調べたいパソコン内蔵のHDDもしくは外付けのHDD・SSDが表示されているボタン上で、右クリックし、プロパティを選択します。
3. 次に、プロパティ画面に表示されている、[ボリューム]タブを選択します。
4. [ボリューム]タブ内、[ディスク情報]にて、[パーティションのスタイル]を知ることができます。
新しいOSの発表により、GPT方式へと変換する方法を検索する方が増えてきたように思います。Windows8以降、大容量のHDD、SSDの発売と普及により、出荷時のパソコンのパーティション方式にはGPTが採用されるようになっています。にもかかわらず、なぜMBRにダウングレードする必要があるのか?
それは、MBRの方が、古いOSやWindowsエディションに対応できるからです。
古いOSを利用することは、セキュリティなどの面からみても推奨されるものではありませんが、特殊なソフトウェアなど、一部のOSでしか動作できないという制限を持っているものがあります。こうしたソフトウェアを利用しているMBR方式のパソコンからは、GPT方式でフォーマットされたHDD・SSDの中に保存されたデータの一部を、認識することができません。逆に、GPT方式のパソコンからは、MBR・GPTの両方を認識することができます。
外部HDD・SSDのパーティション方式を、MBRからGPT、GPTからMBRへ変換する方法について解説していきます。今回は、データの完全削除による新規フォーマットを行います。
ストレージ管理方法を変更する前の作業として、HDD・SSDに保存されているデータの、バックアップをとります。MBRとGPTでは、パーティションの配置がまったく違うものとなります。変換を行うにあたって、ディスクのクリーンアップが必要となります。この際、保存データの削除が行われます。
なお、新規のHDD・SSDを接続するときは、最初にフォーマット方式を尋ねるウインドウが表示されますので、希望するフォーマットの種類を選択するだけで、作業手順は終了となります。
・MBRからGPTへ変換を行うための方法の一つとして、[ディスクの管理]を利用する方法をご紹介します。
1. パーティション方式を調べる際に行ったものと同じ手順にて、[コンピューターの管理]を開き、[ディスクの管理]画面を表示します。
2. 変換対象のMBRドライブ・ディスクのボリュームを表示している項目の上で、右クリックします。
3. 表示されたメニュー内から、[ボリュームの削除]を選択します。すでに作成されているパーティションが複数存在する場合は、すべてのパーティションが削除されるまで、同様の手順でボリュームの削除を行います。
4. すべてのボリュームが削除されると、ボリュームの項目が未割り当てと名称が変わります。未割り当てとなったディスク名のボタン上で右クリックし、[GPTディスクに変換]を選択します。
5. 変換が完了しますと、ディスク名上で右クリックした際に表示されるメニュー内の一部が、[MBRディスクに変換]に変わります。パーティションが作られていないため、ここでMBRに戻すことも可能です。
ボリューム上で右クリックし、メニューから[新しいシンプルボリューム]を選択することで、パーティションを作成することができます。パーティションが不要な場合は、この手順を省いてください。
・MBRからGPTへ変更を行うもう一つの方法は、コマンドプロンプト(管理者権限)・Windows PowerShell(管理者)から操作を行うものです。
画像引用元:https://www.diskpart.com/
1. [Windows]キー+[R]キーで、ファイル名を指定して実行ウインドウを開きます。
2. 名前欄に「cmd」と入力して、検索結果が表示されましたら、コマンドプロンプトの名前上で右クリックし、管理者権限にて起動します。あるいは、[Windows]アイコンを右クリックして、[Windows PowerShell(管理者)]を起動します。
3. 画面が起動したら、「diskpart」と入力してEnterキー(以下、決定)を押します。ディスク管理メニューへとコマンド上のプログラムが変更となります。
4. 次に、「list disk」と入力して決定します。
5. ディスクが一覧表示されましたら、「select disk *」と入力し、決定します。*には、GPTへ変換を行いたいディスクの番号を入力します。「ディスク*が選択されました。」と表示されましたら、「clean」を入力して決定します。
6. 「DiskPartはディスクを正常にクリーンな状態にしました。」と表示されれば、ディスクのクリーンアップ作業は完了です。[ディスクの管理]と異なり、一回のコマンドですべてのパーティションが削除されます。
7. 次に「convert gpt」と入力し、決定します。これで、パーティション方式の変更作業は、終了です。
8. 最後に「exit」と入力して決定し、DiskPartを終了します。
GPTからMBRへ変更する手順も、まったく同じ方法で行うことができます。コマンドを使用する場合は、「convert mbr」に入力文字を変更します。
Windows PowerShellでは、「mbr2gpt」コマンドによるディスク内のデータ保持をしたまま、MBRからGPTへ変換する方法を選択することもできます。mbr2gptコマンドがサポートされていない場合や、GPTからMBRへのデータ保持変換は、有料のパーティション管理ソフトを利用することをお勧めします。
MBRからGPT、GPTからMBRへの変換には、今回ご紹介した方法の他にも、無料・有料ソフトを利用して変換作業を行う方法があります。膨大なそれらを全て知ることはかなりの労力がかかり、必要性も薄いのではないかと考えています。こうしたまとめを一助として違いや変換について理解を深めてもらえればと思います。
MBRやGPTには、それぞれメリットとデメリットがあるのはご理解いただけたでしょうか。外付けHDDやSSDだけでなく、パソコンに搭載されているストレージのパーティション方式を、変更することになるかもしれません。パソコン内蔵の起動ディスクを含むHDD・SSDのパーティション方式の変更後は、ブートモード(BIOS・UEFI)の変更、CSMやセキュアブートの変更も関わってきます。
なお、最新のパソコンをダウングレードした際は、マザーボードが自動でブートモードを切り替えてくれる場合があります。他にも、起動ディスク・USBの作成作業(メーカーから提供されている場合は、作成不要)や、OSのインストール、保存データの復元など、多くの作業を行わなければなりません。
面倒と思われるかもしれませんが、誤ったパーティション方式を採用すると、せっかくの機器のパフォーマンスが低下しかねません。今後のことを考えれば、パフォーマンスの維持だけでなく向上がさらに望まれているのは間違いありません。HDDやSSDのストレージが大きいものは、まだまだ高価です。自分自身や業務内容が満足する環境であるかどうか、判断しながら、未来の作業環境に最適な機器を選ぶことも重要です。
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