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家庭用ビデオカメラやスマホのカメラで撮影した動画や画像データ、ダウンロードした動画や画像、音声データなどが身近になりました。それとともに、どんどん保存しているデータが増えていっているのではないでしょうか。パソコンやタブレットなどのデバイス内に保存できるデータの量は限られています。
クラウドサービスなどに預ける方法もありますが、無料で預けられるデータ量にはやはり制限があるサービスが多く、たくさんのデータを預けようとすると月額費用が掛かることがほとんどです。他にどうやってデータを保存しておくか?の選択肢の一つが、DVDやブルーレイなどの記録媒体に保存する方法です。
また、誰かにDVDやブルーレイでデータを渡したいこともあります。
ただ単に動画などのファイルを書き込むだけでは、どこにどのようなファイルが保存されているのかが、わかりにくいしアクセスしづらくて不便かと思います。それを分かりやすくして、アクセスしやすくできるのがメニュー画面です。
この記事では、ブルーレイの本格的なメニュー画面を作ることができるフリーソフトの「multiAVCHD」についてご紹介します。
「multiAVCHD」は本格的なメニュー画面を作成することのできるフリーのブルーレイオーサリングソフトです。「オーサリング」とは、音声ファイルや動画ファイル、写真データ見出しや文書などを組み合わせて「デジタルコンテンツ」などを制作することです。ブルーレイプレーヤーで再生可能な形式のデータを作成することを「ブルーレイオーサリング」といい、その編集を行うソフトウェアを「ブルーレイオーサリングソフト」といいます。
・AVCHD / Blu-ray(BDMV) / Playstation 3 / Viera/Panasonic BDPなど、目的に応じてオーサリング形式を変更可。DVD化も可能
・チャプター/音声/字幕の追加
・オープニングムービーの追加
・メニューの編集可能・メニュー背景やサムネイルに動画を利用可能
などになります。
multiAVCHDの最新バージョンは、multiAVCHD4.1.771です。2012年7月更新以降更新されていない点に注意が必要で、対応OSは、Windows7/Vista/XP/2000とWindowsの古いバージョンのみとなっています。Windows8以降の動作保証はなく、対応しているファイル形式も決して多くはありません。その点を理解したうえで利用しなくてはなりませんが、フリーで有料ソフト並みの機能が使えるとあって、いまだに利用者が絶えません。
multiAVCHDをパソコンにダウンロード、インストールして使えるようにするためには、multiAVCHDだけではうまく動作しません。他にいくつかソフトウェアをダウンロード・インストールすることで使うことができるようになります。
英語表示のソフトウェアで日本語パッチは無いようですが、それほど難しい英語ではないので、英語表記のままで大丈夫かと思われます。
multiAVCHDをダウンロード・インストールして使うためには、ほかにもいくつかのソフトウェアが必要だと述べました。コマンドライン操作で動く動画編集ソフト「AviSynth」とスプリッター、コーデックパックがないとエラーが発生するようです。別途必要なソフトウェアの組み合わせとして3パターンあります。ここでは、①の組み合わせでのダウンロードについて詳しく説明します。
①「AviSynth」「K-Lite_Codec_Pack」
②「AviSynth」「ffdshow」「Haali Media Splitter」
「ffdshow」:
https://sourceforge.net/projects/ffdshow-tryout/files/SVN%20builds%20by%20clsid/
「Haali Media Splitter」:
③「AviSynth」「LAV Filters」
「LAV Filters」:
https://github.com/Nevcairiel/LAVFilters/releases
1.「multiAVCHD」をダウンロードします。
https://www.videohelp.com/software/multiAVCHD
2.「multiAVCHD_4.1.exe」をダブルクリックして、セットアップ場面で「NEXT」ボタンをクリックします。
3.使用許諾の同意画面になるので、「I agree」にチェックを入れて、「NEXT」ボタンをクリックします。
4.インストールするコンポーネンツの選択画面でmultiAVCHD_4.1.にチェックが入っていれば、そのまま「NEXT」ボタンをクリックします。
5.インストール先の指定も規定値のままでOKであれば、そのまま「Install」ボタンをクリックします。
6.インストールが開始されます。終了画面が表示されたら、「Laun h multiAVCHD」「Open multiAVCHD tutorial(web)」のチェックを外して、「OK」ボタンをクリックすればインストール完了です。
1.「AviSynth」をダウンロードします。
https://sourceforge.net/projects/avisynth2/
2.「AviSynth_260.exe」をダブルクリックします。起動してすぐに言語選択で「Japanese」が、表示されるので、そのまま「OK」ボタンをクリックします。
3.使用許諾同意画面になるので、「同意する」ボタンをクリックします。
4.コンポーネント選択画面になりますが、規定値のままで「次へ」ボタンをクリックします。
5.パソコンのインストール先の選択画面も規定値のままで、「インストール」ボタンをクリックします。
6.インストールが完了したら、「次へ」ボタンをクリックします。
7.完了画面になるので、「完了」ボタンをクリックすれば、インストール完了です。
1. 「K-Lite_Codec_Pack」をダウンロードします。
http://www.codecguide.com/download_kl.htm
2. 「K-Lite_Codec_Pack_1190_Mega.exe」をダブルクリックして最初の画面で「Simple」にチェックを入れてから「NEXT」ボタンをクリックします。
3.使用するメディアプレーヤーの選択画面になるので、規定値のまま「NEXT」ボタンをクリックします。
4.言語表示画面で「Primary language」が「Japanese」なっていることを確認して「NEXT」ボタンをクリックします。
5.追加ソフトについての画面になるので、そのまま「Accept」ボタンをクリックし、その次の画面でもそのまま「Accrpt」ボタンをクリックします。
6.インストールの完了画面が表示されたら、「Run Codec Tweak Tool」「Check for updates now」のチェックを外して「Finish」ボタンをクリックして、インストール完了です。
読み込みに対応しているファイル形式は次のものになるので、それ以外のファイル形式のものをオーサリングしたい場合は、あらかじめファイル方式を変換しておく必要があります。
読み込めるファイル形式は、
・動画:mov/mkv/mp4/wmv/avi/vob/flv/m2v/mpg/mts/m2t/ts/mpeg/m2ts
・音声:mp2/mp3/ac3/pcm/ogg/wav/flac
・字幕:srt/sub/sup/ass/ssa/idx
出力できるファイル形式は、
SD-DVD/AVCHD/BDMV/HD-DVD
となっています。
① multiAVCHDを起動します。
② 左上部の枠にオーサリングしたい動画ファイルをドラッグ&ドロップします。上部の「Add video files」ボタンをクリックして、ファイルを読み込むこともできます。
ファイル名が日本語名、全角文字だとうまく読み込めないことがあるので、適宜、ファイル名を変更したほうが良いでしょう。
③ 下部の「Destination path」で出力先を指定します。
④ ファイルを読み込み、出力先を指定したら、「Start」ボタンをクリックします。
⑤ オーサリングしたい形式を選択する画面が表示されるので、該当するものをクリックするとオーサリングが始まります。
⑥ オーサリングが完了したら、出力先にオーサリングされたファイルが生成されているのを確認します。
※動画ファイルを読み込んだ後、オーサリングを開始する前(④の前)に、
・Authorタブでメニュー形式の選択&オープニングムービーの設定
・Menuタブでメニューのフォント&レイアウトの設定
・メニューのモーション化の設定
等ができます。
multiAVCHDには、ブルーレイに書き込む機能はありません。そこで、ライティングソフトが必要となります。multiAVCHD公式サイトでおすすめされているのは「ImgBurn」というライティングソフトです。
「ImgBurn」:
【ImgBurnでブルーレイに書き込む方法】
① ImgBurnを起動して、画面上の「ディスクにファイルやフォルダを書き込む」を選択します。
② ブルーレイディスクをパソコンのドライブに挿入します。
③ オーサリング済の「AVHCD」フォルダを左上部のスペースにドラック&ドロップします。
④ 左下部にある「書き込み開始ボタン(イラスト)」をクリックして書き込み開始します。
複数の好みの動画ファイルをまとめるオーサリングのできるフリーソフト、multiAVCHDについてと、基本的な操作をご紹介しました。
メニューやチャプターの作成なども本格的にできるのがポイントですが、それらの機能を活用するのは、慣れないと難しい面もあります。最初の数回は数個の短めの動画ファイルを使って練習してみることをおすすめします。基本のオーサリング以外の機能をどうやって活用すればよいのかは、様々なところに解説がありますので、自分にあった解説を見つけて活用してください。
「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトをお勧めします。目指せ、あらゆるジャンルの素晴らしいソフトを発掘することを。「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトのレビューを更新し続けています。