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動画の画質に影響する重要な要素の一つは「ビットレート」です。通常、映像ビットレートが高くなるほど、画質も良くなります。しかし、動画のビットレートは一体何ですか?動画のビットレートをどのように設定すべきですか?と悩む方も多いいるしょうか。この記事では、映像や音声ビットレート、動画ビットレートの目安、高い映像ビットレートに設定した場合のメリットとデメリット、動画の画質に影響を与えている要因、YouTubeとビットレートの関係、テレビ会議とビットレートの関係などについてご紹介します。
ビットレートとは、1秒間に送受信可能なビット量を指し、単位はBit Per Secondを略してbpsです。
例えば100bpsであるならば、1秒間に100ビットのデータ量が送受信できるという事になります。
ビットレートの値が大きいほど、1秒間あたりに送受信できるデータ量が多くなるのです。ビットレートには映像ビット
レートと音声ビットレートという2つの種類があり、これら2つのビットレートを足して算出した値がオーバルビットレートと呼ばれています。
音声ビットレートとは動画ファイル内にある音声に関するビットレートを指し、基本的に映像ビットレートと比較すると音声ビットレートの値は小さいです。音声ビットレートの目安としては、MP3やAACなどの非可逆コーデックの場合、96~128kbps程度となっており、一方、高音質の動画では192~320kbps程度です。
映像ビットレートとは、動画ファイルにおける映像に関連するビットレートを指します。音声ビットレートと比べると映像ビットレートの値は大きいです。映像ビットレートの目安は配信する画質によって大きく異なり、値に幅がありますが500kps~70Mbpsとも言われています。
音声ビットレートの目安が192~320kbps程度である事から、動画ファイル全体で見ると、映像ビットレートがオーバルビットレートの多くを占めています。基本的に、数値が大きくなるほど画質の品質が良くなるのが映像ビットーレートの特徴です。
ただ、単純に映像ビットレートの値が高ければよいというわけではありません。小さいモニター画面で映像を見る場合は、ビットレートの値が多少低くても、映像の粗さはあまり目立つ事はないと言えます。映像ビットレートの値を高くしても画質が良くなったという実感が得られず、ただファイル容量が大きくなるだけというケースも少なくありません。
ビットレートの値が同じでも、映像の内容が動きの多いものかそうでないかによって、画質は変わってきます。そのため、その映像に最適と思われるビットレートを決めておく必要があります。動画をYouTubeなどに配信する際、頻繁に使用される映像の解像度に対する適正なビットレートの目安は以下の通りです。
解像度SD(720×480px) | 1~2Mbps(動きの多い映像) | 500kps~1Mbps(動きの少ない映像) |
解像度HD(1280×720px) | 4.5~9Mbps(動きの多い映像) | 2.4~4.5Mbps(動きの少ない映像) |
解像度フルHD(1920×1080px) | 9Mbps~18Mbps(動きの多い映像) | 4.5~9Mbps(動きの少ない映像) |
解像度4K(4096×2160px) | 35~70Mbps(動きの多い映像) | 25~35Mbps(動きの少ない映像) |
写真引用元:https://kourindrug.sakura.ne.jp/
映像ビットレートの値を高くする事のメリットとして挙げられるのが、よりクリアな映像を配信したり、動きの激しい映像でもブロックノイズを発生させる事なく配信できるという点です。ブロックノイズとは、映像の一部又は全体が乱れて四角いブロック状のモザイクになる現象を指します。またフレーム数を増やして滑らかな映像を配信する事もできるようになる点も高い映像ビットレートのメリットです。
映像ビットレートは高い値ほど、より鮮明な映像にする事が可能ですが、その分、動画ファイルのサイズも大きくなるという性質があります。動画ファイルのサイズが大きいとインターネットで動画配信する際、視聴する側のインターネット環境によっては、スムーズに再生できない可能性もある点が一つのデメリットです。
また動画ファイルのサイズが大きいほど、視聴する時の通信量も多くなる他、配信する側も配信するサーバーのストレージ容量などに少なからず影響が出ます。さらに高いビットレートでも対応できるスペックがないとCPUに負荷がかかりやすくなり、映像がフリーズするなどのリスクも高くなってしまいます。高い映像ビットレートの映像を配信したり視聴する場合は、それに対応できるネット回線と機器の準備が必要です。
写真引用元:https://pc-onlinegames.com/
フレームレートとは、1秒あたり静止画やコマといったフレームを何枚表示できるかを表す単位です。
単位にはフレーム・パー・セカンドと呼ばれるfpsが使われており、例えば100fpsであれば1秒間にフレームが100枚表示できるという意味となります。インターネットの動画配信では30fpsが選択されるケースが多いです。セミナーや学習塾のオンライン授業など動きが少ない動画であれば、15fpsでもスムーズに配信できる場合があります。
写真引用元:https://media.dashcam-wiki.info/
解像度が高いほど、高画質な動画になりますがその分、映像ビットレートの値も高く設定しなければなりません。またフレームレートには数値が高いほど、より滑らかな動きのある動画になるという特徴があります。ただ、フレームレートの数値を高くしただけでは、1フレーム当たりのデータ量における割合は小さくなるので、ビットレートをより高い数値に設定しなければなりません。
動画の解像度とは画素の事を指し、1920×1080pxなどのように縦×横のピクセルで表記されます。数値が大きいほど解像度が高く、高品質な画像と言えますが、視聴環境に合わせて最適な解像度を選択する事が可能です。解像度もフレームレートと同様に、大きくするほど高いビットレートが求められます。
写真引用元:https://cdn.douga-kanji.com/
コーデックとは、映像や音声データをエンコードあるいはデコードするプログラムの事を指します。コーデックはDVDやブルーレイ、ハードディスクレコーダーなどの記録媒体に用いられており、日常生活の様々な所で活躍している事から身近な存在でもあるのです。またデジタル放送やテレビ会議などで動画を取り扱う時にも、コーデックが使用されています。そんな動画に影響を与えているコーデックには映像と音声、それぞれに複数の種類が存在しています。
映像ではH.264やH.265、MPEG-2などがあり、音声の代表的なコーデックとしてはMP3やAACなどがあります。動画をネット配信するためには、これらのコーデックを用いて、パソコンやスマホといった端末で映像が見られるよう変換したりデータを圧縮したりするエンコード作業が必要となります。
YouTubeにはYouTube Liveというリアルタイムに動画を配信できる機能が備わっています。この際、ビットレートなどが重要なポイントとなってきます。何を用いて撮影し、どのような形でYouTube Liveに配信するかで必要なデータ容量や画質のクオリティなどが決まってきます。例えば、スマホでもYouTube Liveを使用する事は可能です。
ただ、スマホのモデルが違うだけでも動画の画質や音質は大きく異なってきます。具体的にはあるスマホの画素数が100万画素で、もう一つのスマホの画素数が1000万画素だとすると、ビットレートの計算で算出した際の1画面の構成に必要なデータ容量は10倍も異なってしまうのです。
YouTube側は撮影に使った機器を自動検出し、最適な設定にしてくれますが、YouTube Liveから手動でビットレートの値を変更する事で解像度を調整する事も可能です。これはデバイス間の相性が要因となっているケースもあるので、事前の計算では調整が難しい部分もあります。そのため、視聴者に画像伝送の遅延や音飛びなどが発生していないか、配信しながら確認する必要があります。
写真引用元:https://www.nttbiz.com/
テレビ会議の映像や音声の品質もビットレートによって左右されてくると言えます。低いビットレートとなっているテレビ会議システムを採用した場合、映像と声がずれていたり、声が途切れやすく聞き取りにくいといった事象が起きるリスクは高いです。これは映像及び音声のビットレートやフレームレートの値を下げて送信する事で通信量を減らしている事が要因になっていると言えます。ストレスのない快適なテレビ会議を実施するのであれば、高いビットレートで高速処理してくれるシステムを選択するのが良いでしょう。
以上では、ビットレートは、動画の画質に影響を与えている要因の1つですが、高いビットレートに設定すると、デメリットもあります。また、ビットレート以外、フレームレート、解像度、コーデックなども画質に影響しますので、この記事を読んだ後、手元の動画のフレームレート、ビットレートなどを適切に調整してみましょう。
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