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MP4形式の動画ファイルは、圧縮率が高く、高品質な動画を再生できるとして、さまざまなでバスに利用されている動画形式の一つとなっています。しかし、汎用性が高い分、ISOやMOVファイルと比較して再生できないなどのトラブルが多く、せっかくのデータを削除してしまうということも多いかと思います。そこで、本記事では、そんなMP4が再生できないといったトラブルの対処法について、詳しく解説していきたいと思います。
MP4とは、動画形式の一つで、動画ファイルには、MP4以外に、「AVI、WMV、FLV」などの形式もあります。MP4には「ISO/IEC 14496-14:2003」という正式名称があり、「MPEG-4 Part 14」と呼ばれることもあります。MPEG1やMPEG2よりも画質劣化に強い(ビットレートが低い場合であっても)という特徴があるため、現在の動画形式では一般的な規格になっています。
また、MP4形式ファイルには、動画はもちろん、音声、字幕、3Dデータなど、ほとんどのデータを格納できるというメリットがあり、他の動画形式に比べて優れている点が非常に多いのです。
MP4は、2001年の登場から進化を続けており、旧世代のMP4と現在のMP4では大きな違いがあり、それらがトラブルの原因になっていることも事実です。しかし、実際にはそれ以外の要因も非常に多く、いくつかの原因を理解しておく必要があります。
MP4は、時代ごとに進化しており、コーデックに関しても、旧世代よりも高性能なものが使われています。こういった最新コーデックはアプリ側で対応していないと、再生することができず、トラブルの原因になります。
コーデックとは、MP4ファイルにおける圧縮技術のことで、「H.264」となどがコーデックとなります。MP4動画を再生する場合、アプリ側で「圧縮されたデータを復元する」作業が必要になります。復元するためには、MP4動画と同じコーデックが必要であり、アプリに同じコーデックがない場合は復元不能として、再生することが出来ません。
MP4は圧縮されたコーデックをプレイヤー側で復元することで再生していますが、複数のコーデックがインストールされていると、そのコーデック同士がぶつかり合ってエラーを出す場合があります。これが「コーデックの競合」です。正常なMP4データであっても、コーデックが競合していると読み込むことができないので、不要なコーデックを削除して対応する必要があります。
「エンコードした動画が読み込めない」、「ファイルコピーを行ったら読み込めなくなった」という場合には、MP4ファイルの破損が考えられます。破損している場合でも、修復できることもあるので悲観する必要はありません。※ただし、大元から破損している場合は修復できないこともあります。
最近のメディアプレーヤーはGPUアクセラレーションといったビデオカードの機能をフル活用する機能が搭載されており、CPUベースのプレーヤーとは違う挙動をします。プレーヤー側がGPUをうまく使えないために、MP4動画が再生できないなどの不具合が起こりやすくなっているのも事実です。
MP4動画が読み込めないトラブルのほとんどは、原因を突き止めることで解決できます。しかし、MP4動画を再生できない原因はいくつも存在するため、一つ一つチェックしていくことが肝心です。
MP4動画が再生できない多くの理由は、「コーデック違い」による問題です。旧式のアプリやメディアプレーヤーを利用している場合、最新のコーデックに対応していないことも多いため、再生できないと入った問題が起こるようです。まずは標準アプリを使って再生できるかチェックしてください。
Windows MediaPlayerには、最新のコーデックがインストールされており、Windows updateによって、「最新のコーデックパック」が追加されるため、ほぼ全てのMP4動画が再生可能です。Windows MediaPlayerで再生できないMP4動画は破損しているか、エンコード時に何らかのエラーが起きていると考えた方がいいかもしれません。
サードパーティ製のメディアプレーヤーには多機能で高性能なものが多く、Windows MediaPlayerに比べて、痒いところに手が届く機能も多いので、さまざまな動画ファイルを再生する人にオススメです。ここでは、特にオススメのフリープレーヤーをいくつかご紹介したいと思います。
Windows・Macに対応したメディアプレーヤーで、ほとんどの動画、音声形式に対応しています。
GOMプレイヤーは登場時から、多機能で軽いメディアプレーヤーとして人気がありましたが、現在はWindows MediaPlayerと同等の安定性を持つ、強力なメディアプレーヤーに進化しています。MP4の再生ならマストアプリといっても過言ではありません。
・公式サイト:https://www.gomlab.com/gomplayer-media-player/
オープンソースのフリーソフトで、カスタマイズ製が高く、ほぼ全てのプラットフォームで利用可能なことから、絶大な人気のあるメディアプレーヤーです。動画フィルターなどの機能もあるため、画質補正を行なって動画を楽しむことも可能です。
公式サイト:https://www.videolan.org/vlc/index.ja.html
4K UHD動画や3D動画の再生にも対応しており、ほとんどのコーデックに対応しているメディアプレーヤーです。対応できていないコーデックも後から追加することが可能で、完全無料で利用できます。Windows XPから使用できるという点が大きく、古いPCでも最新コーデックのMP4動画を再生することが可能です。最新のWindows10にも対応しています。
ダウンロードサイト:https://www.gigafree.net/media/MediaPlayer/kmplayer.html
Windows Media Playerの場合は、Windows Updateを利用することで、最新のコーデックをインストールすることが可能です。フリーソフトの場合は「自社製コーデック」や「他社製コーデック」などが豊富に存在しており、それらを自由にインストールしてMP4を再生することが可能です。
ただし、開発元が不明のコーデックは別のトラブルを引き起こす要因となるので、利用しない方がいいでしょう。
GPUを使った再生処理を行うソフトには、「GPUアクセラレーション」をOFFにする機能がついています。一旦GPUの使用を停止して、MP4が再生できるか確認してみましょう。GPUに問題があれば、通常通り再生が可能なはずです。
メディアプレーヤー変えても動画が再生できない場合は、「MP4ファイルが破損している」可能性があります。今回はフリーソフトの「VLCメディアプレーヤー」を使って、ファイルを修復する裏技をご紹介します。(破損が激しい場合はこの方法でも修復できない可能性があります)
※あらかじめ、VLCプレーヤーをダウンロードしておいてください。
1. VLCを起動して画面上のメニューバーから「メディア」をクリックしてウィンドウを開き、「追加」をクリックして、破損したMP4ファイルを追加します。
2. 変換ウィンドウが表示されたら、参照をクリックしてファイルの保存先を指定します。
3. プロファイルの一番右にあるアイコンをクリックして「カプセル化」タブを選択し、「MP4/MOV」を選択して「OK」をクリックします。
4. 次に「ビデオコーデック」タブを開き、「オリジナルのビデオトラックを保持」にチェックを入れます。
5. 隣にある「オーディオコーデック」を開き、「オリジナルのオーディオトラックを保持」にチェックを入れて、プロファイル名を入力して「作成」をクリックします。
6. 変換ウィンドウに戻ったら、プロファイルのプルダウンメニューから、先ほど入力したプロファイル名を選択して「開始」をクリックします。
これで修復作業は完了です。コーデックに対応したメディアプレーヤーを使って再生できるか確認してください。※破損が激しいファイルはこの方法でも修復できない可能性があります。
VLCプレーヤーを使った修復を行っても再生することができない場合は、MP4ファイルが激しく破損している可能性があります。HDDから無理なファイル移動を繰り返したり(途中で停止、再開など)、エンコードソフトに問題がある場合にこのようなトラブルが起きます。大きく破損している場合は、素人の修復は不可能なので、諦めるかプロの修復業者にお願いしたほうがいいかもしれません。
今回の記事では、Windows10でMP4動画が再生できない場合の対処法について、解説させて頂きました。今回ご紹介した裏技含めた対処法は、あくまで簡易的なものなので、「破損したMP4を完全に修復」することは出来ません。コーデックによるトラブルや、メディアプレーヤーの問題である場合のみ有効な対処法なので注意してください。
「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトをお勧めします。目指せ、あらゆるジャンルの素晴らしいソフトを発掘することを。「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトのレビューを更新し続けています。