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世界規模で高いシェアを持つ、パーソナルコンピュータ向けOSのwindowsを開発するマイクロソフト社は、米国時間2021年6月24日に、Windows11を発表しました。正式な発売日がいつになるのかは、まだ決まっていませんが、2021年秋頃には、Windows11をプリインストールしたパソコンが出荷される見通しです。Windows10を導入しているパソコンに対しては、発売日から最大1年間、Windows11へのアップデートプログラムが、対象となるユーザーに対して無料で配布されます。
また、2021年7月29日にWindows 11のプレビュー版「Windows 11 Insider Preview」がリリースされました。
Windows11は、現在発売されているWindows10の後継OSで、カーネル部分もWindows10のものを踏襲しています。ただし、Windows10と大きく変わっている部分もあります。
タスクバーの配置に関しては、これまで左寄りだったものが、スタートメニューを呼び出すためのウィンドウズボタンも含めて、中央にまとめて表示されるといった具合です。また、スタートメニューの表示方法も変化しており、頻繁に使うアプリや定期的にアクセスするファイルの一覧が、最初に表示されるようになりました。
ウィンドウデザインに関しては、基本部分ではWindows10をベースとしつつも、ウィンドウが最大化されていない場合、四隅が丸く表示されるようになった点が、大きな変更点です。
アプリケーションの右上にある、「最大化」及び「閉じる」ボタンにカーソルを持っていくと、ウィンドウの整理方法に関する内容が視覚的に確認できるようになります。希望するレイアウトを選択すると、指定したとおりにウィンドウの形が変化する仕組みです。また、デスクトップ画面に表示されるおなじみのアイコンも、新しいOS向けのデザインに一新されています。
導入されるアプリケーション等については、Windows7で登場したウィジェットが使えるようになります。window11のウィジェットは、カレンダー及びタスク、ニュースといった項目に絞り込まれ、集約された情報を表示させる役割に特化している点が、大きな特徴です。よく使うアプリを簡単にインストールする「Microsoft Store」について、主要メーカーのアプリをカバーしている他、インストール済みのコンテンツ等の検索も容易にできるようになりました。スマホ向けOSのAndroidに対応するアプリも、Amazon提供のアプリに限定されるものの、Windows11で使えるようになっています。
ゲーム機能に関しては、「DirectX」のバージョンが12に上がっており、「DirectX 12 Ultimate」に標準対応されるようになりました。このため、ハイエンドタイプのGPUを導入したパソコンにおいて、グラフィック関連の性能を最大限引き出せる仕組みへと変化しています。さらに、マイクロソフトが提供しているグループウェアとしては「Teams」が有名ですが、Windows11の機能として最初から使える点も、大きな特徴です。
Windows11を動かすために必要最低限のスペックの中でも、64ビットに対応したCPUが必須で、32ビットに対応していない点において、Windows10とは決定的に異なります。
Windows10までのOSは、32ビット対応のパソコンでも動作していましたが、Windows11を使う場合は、64ビット対応パソコンへの買い替えを余儀なくされます。そのため、Windows11への無料アップデートプログラムは、Windows10をインストールした64ビット対応パソコンのみに配布される仕組みへと変更されました。
Windows11を利用する条件として、Windows10では要求されなかった項目が新たに追加されています。
システムの最小要件
プロセッサ | 1 ギガヘルツ (GHz) 以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC) |
メモリ | 4 GB RAM |
ストレージ | 64 GB 以上の記憶装置 |
システムファームウェア | UEFI、セキュア ブート対応 |
TPM | トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0 |
グラフィックス カード | DirectX 12 互換のグラフィックス / WDDM 2.x |
ディスプレイ | 9インチ以上、HD解像度 (720p) |
インターネット接続 | Windows 11 Home Edition のセットアップには Microsoft のアカウントとインターネット接続が必要です |
これ以外、機能によっては特定のハードウェアが必要になるかもしれません。
Windows10がインストールされているパソコンに、Windows11へアップデートするプログラムをインストールするには、求められているスペックの要件をクリアしている必要があります。手持ちのパソコンにWindows11をインストールできるかどうかを確認できる方法としては、マイクロソフトが配布している「PC 正常性チェック」ツールがあります。
「PC 正常性チェック」ツールでは、CPUやメモリの他、セキュアブートの有無や「TPM」のバージョン等も確認できるようになっています。このツールで「window11をインストールできます」と表示されれば、Windows11を使えるパソコンと認識される仕組みです。
Windows11へのアップデートプログラムは、Windows11を使用できる条件を満たしたWindows10インストールのパソコンへ直接ダウンロードされます。そして、画面の指示に従ってインストール作業をしていけば、Windows11を使えるようになります。
ただし、開発段階のプログラムを使えるインサイダープログラムへ参加し、インサイダープログラムのチャンネルが「ベータチャンネル」という条件が付きます。また、Windows10に戻せる期間は10日間と定められており、11日目以降にWindows10に戻すには、クリーンインストールが必須です。
マイクロソフトから過去に発売されたwindowsOSは、発売後も様々な種類の不具合を引き起こしてきました。そのため、2021年秋頃に発売されるWindows11においても、発売後に多くの不具合が生じると予想されています。
「このPCではWindows11を実行できません」エラー
現時点で起こり得る不具合としては、インストール時においてのエラー表示であり、中でも、「TPM」や「セキュアブート」を始めとする、セキュリティに関する項目でのエラーが発生しやすくなっています。具体的には、「セキュアブート」と「TPM」の両方の機能が有効化されていない場合に起こる「このPCではWindows11を実行できません」というエラー画面の表示です。
こういったケースは、Windows11に必要な最低限のスペックを満たしていても、エラーを引き起こしやすいため、注意する必要があります。
対処方法:Window11をインストールする前に、BIOSモード設定画面にて、「UEFI」モードに変更した上で、「セキュアブート」の項目も有効に変更しておきます。続いて、UEFI画面にて、「TPM 2.0」の項目を確認し、有効に設定すれば、インストール画面でのエラー表示がなくなります。もし、正しく設定したとしても、インストール時にエラーが表示される場合は、それ以外での対処が必須です。
例えば、Windows10で使われているデバイスドライバが古い場合は、インストール時にエラーを引き起こす可能性があるため、最新のアップデートを全て導入する必要があります。
また、UEFIのバージョンが最新でない場合も、インストールにおけるエラーを誘発する原因となるため、最新のファームウェアを適応しておきます。
なお、Windows11をインストールした後でも、スタートメニューの検索ボックスに文字を入力できない、アプリのピン留めにおいて、解除ができないといった不具合が多数報告されています。
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