目次[閉じる]
SNSのアカウントに使用する写真を加工することは、珍しいことではなくなってきました。中でも根強い人気を誇っているのが、人物写真のイラスト化です。髪型だけでなく、メイクや服装なども自由に変更できるアプリも、数多くリリースされています。今回は、人物写真だけでなく、風景写真などもイラスト化できるアプリやサイト、ソフトについてご紹介します。
これまで写真のイラスト化は、グラフィックソフトウェアを使わなければ作成が難しいものと思われてきました。しかし、パソコンやスマートフォンの普及率向上に伴うかのように、無料で使えるグラフィックソフトや、様々な加工が可能な高性能アプリが登場し、簡略化されてはいるものの、写真をイラスト化することは難しいものではなくなっています。
また、加工された写真を、ブログのプロフィール画像をはじめSNSのアイコンや、アカウント詳細画面の背景に設定するユーザーも増えてきているように思います。
スマートフォン向けのアプリケーションによる人物写真のイラスト化は、元の写真にフィルターをかけてイラスト風に仕上げるものと、元の写真からアバターを作成するものとに分かれます。
前者は、油絵や水彩画などに見られる写実的な描写となるのに対し、後者は、アニメーションや漫画のような描写となるのが特徴です。また、フィルターをかけた状態で撮影ができるカメラアプリもありますので、用途に応じて複数を使い分けると良いでしょう。
Instagramでハッシュタグ検索をしてみると、「#写真イラスト」の投稿は1000件以上とありますが、「#アイコンイラスト」は8.8万件ヒットします。写真にイラストを描き加える、フレームを追加するなどの加工は多いものの、写真そのものをイラスト化している写真はあまり見かけません。「#photographyillustration」もほぼ同様の結果となりました。
ハッシュタグは組み合わせて使用できるので、よく使われているハッシュタグと組み合わせて、作成したイラストを掲載すれば、注目を集めることができるかもしれません。最低限のマナーとして、内容とかけ離れたハッシュタグを多用するのは控えましょう。
スマートフォンに搭載されているカメラにも、様々なフィルターが搭載されるようになってきています。ここでは、スマートフォンで撮影した人物や風景の写真を加工して、イラスト化するiOS、Android両対応のアプリケーションをいくつか紹介します。
ディズニー&ピクサー風アニメ、漫画風にしたい場合は、お勧めです。
こちらもディズニー&ピクサー風アニメ、漫画風にしたい場合は、お勧めです。
イラストの中でも、特にスケッチ風に特化しています。人物だけでなく、風景にも対応しています。
人物だけでなく風景も、イラスト化してくれます。
注意していただきたいのは、これらのアプリケーションは基本的には無料でできると紹介されていますが、起動直後のチュートリアルにて、有料プランへの誘導が含まれるものがほとんどです。無料試用期間の後に、月額・年額が発生するアプリも多いので、利用はじめのチュートリアルや案内はスキップせずに、一つずつ表示内容を確認していきましょう。広告表示はされますが、完全無料で利用できるアプリケーションもあります。
アプリやグラフィックソフトのインストールをせずに、ブラウザ上で写真加工ができるサイトがあります。一部有料メニューを提供しているサイトもありますが、基本的に無料で使うことができます。
フィルター加工だけでなく、スタンプの追加、テキスト・手書き文字の入力、サイズ変更などを行うことができます。画像サイズは、縦横共に2000pxまで読み込むことができますが、サイズオーバーとなった場合、自動的に縮小されます。複数のフィルターを、重ねて加工することができます。画像は、最終加工時間から90分が経過すると、自動削除されます。
フィルターは170種類と豊富で、パラメータの詳細設定が可能です。ページ上部に表示されている[人気ツール][全ツール]などのタブメニューが、利用可能なフィルターとなっています。左側に[画像指定]という項目があり、画像ファイルをアップロード、またはURLで読み込むための入力フォームがあります。加工したいファイルを、ここで選択すると、右側の作業スペースに画像が表示されます。なお、デフォルト加工は、「ポラロイド」となっています。複数のフィルターを重ねることができないので、保存して再度呼び出し、加工することを繰り返す必要があります。
上部メニュー[Create]より[Photo Editor]を選択します。言語を日本語に変更するダイアログが表示された場合は、[変更する]を選択すると操作しやすくなると思います。ダイアログが表示されなかった場合は、画面右上部にある[A]の隣にある下向きの[>]をクリックし、[Settings]よりLanguage[日本語]を選択します。フィルター名の隣に[●]が表示されているものは、有料コンテンツとなります。複数のフィルターを、重ねることができます。
パソコンで写真をイラスト化するためには、グラフィックソフトを使うのが一番手っ取り早い手段となります。フィルターの数は少ないかもしれませんが、無料で利用できるペイントソフトもあります。無料のソフトウェアに関しては、後のトピックスで改めて紹介します。
ライセンス料は必要となりますが、プロも使うソフトをご紹介します。
様々なフィルターを搭載しており、数値も細かく設定できます。選択機能を併用することで、写真の一部分のみにフィルターをかけることもできます。
写真をトレースしながらイラスト化する場合は、こちらのソフトをお勧めします。
個人使用に関していえば、CLIP STUDIO PAINT PROの機能があれば十分だと思います。「イラスト調フィルター」を使用するだけで、アニメ風にすることができます。
写真をイラスト化するために、完全無料で使うことのできるグラフィックソフトを、ご紹介します。
画面上部右端にある[Download]をクリックして、インストーラーをダウンロードします。
FotoSketcherを起動し、一番左側に表示されているファイルアイコンをクリックして、加工したい画像を選びます。ファイルが読み込まれると、自動で[描画パラメータ]が開きます。描画スタイルから、フィルターを選びます。フィルターのサムネイルが表示されるので、加工後のイメージがしやすいと思います。フィルターの詳細パラメータ指定、プレビュー機能があります。
オープンソースの、グラフィックソフトです。公式サイトのトップページにある、[DOWNLOAD 2.10.30]をクリックします。ダウンロードページにあります、[Download GIMP 2.10.30 directly]をクリックして、インストーラーをダウンロードします。インストーラーを起動したら、推奨設定のままインストールを進めてください。なお、プラグイン「G’MIC(https://gmic.eu/)」を追加すると、使用できるフィルターが増えます。
グラフィックソフトの大手である、Adobe社のPhotoshopを使った方法を2つ解説します。
一つは、[フィルター]>[フィルターギャラリー]を使用する方法です。イラスト化したい写真を開き、直接フィルターをかけていきます。いろいろ試して比較したいという方は、レイヤーを複製しておきましょう。フィルターギャラリーは、プレビューでフィルターをかけた時の詳細が確認できます。複数のフィルターを重ねたり、レイヤーを透過させたりすると、個性的な作品になります。
もう一つは、[イメージ]>[色調補正]>[明るさ・コントラスト]と、[フィルター]>[表現手法]>[輪郭検出]を使用する方法です。これは、写真から輪郭を抽出することで、線画にするものです。元画像の上に線画を透過して重ねるので、レイヤーは最低2枚となります。
線画は、[フィルター]>[ぼかし]>[ぼかし(詳細)]を行った後、[イメージ]>[色調補正]>[階調の反転]で作成することもできます。
GIMPを使用して、写真をイラスト化する方法をご紹介します。
加工したい画像ファイルを、[ファイル(F)]>[開く/インポート(O)]より選択します。[フィルター(R)]>[G’MIC Qt(3.0.0)]をクリックします。ウインドウが開いたら、お好きなフィルターを選択します。G’MICウインドウが表示されない場合は、[フィルター(R)]より[“G‘MIC Qt”の再表示]を選択してください。なお、各フィルターのイメージは、公式サイトの[Resources]>[Image Gallery]にて確認することができます。
写真をイラスト化する方法は、数多くありますが、好みの加工を行うためには試行錯誤が必要です。フィルターを使いこなせると、個性的な画像を作ることができ、他ユーザーとの差別化にもつながります。提供されるアプリケーションも日々進化していますので、今後も注目していきたいジャンルです。
「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトをお勧めします。目指せ、あらゆるジャンルの素晴らしいソフトを発掘することを。「其れこそ私が欲しいソフトだ」と思わせるようなソフトのレビューを更新し続けています。