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当サイトは、皆さんのニーズに合わせて、
上述のカテゴリーを分けて、それぞれのソフトをレビューして、ソフトランキングを作りました。
今回の記事では、囲碁・将棋ソフトのランキングを紹介したいと思います。
すべて無料で使えます。絶対やってみてくださいね。
「Sabaki」は無料の囲碁ソフト。本ソフトの特徴は、なんといっても描画の美しさ。碁盤や石、畳のレンダリングが鮮明で、着手した時の“パチッ”という効果音や、アゲハマをフタに置く時の“カラン”というエフェクトも心地よい。外観のカスタマイズも可能で、別途ダウンロードしたテーマを適用すれば、碁盤や石の見栄えを簡単に変更できる。
機能面では、棋譜の閲覧・編集機能が充実している。基本となる棋譜フォーマットは囲碁ソフトでよく使われるSGF形式で、既存のファイルを指定して読み込んだり、クリップボードからインポートすることが可能。閲覧だけなら、NGF形式やGIB形式といった棋譜フォーマットも扱える。
さらに、局面を分岐させて変化図を加えたり、その分岐の様子をツリー形式で表示することが可能。コメントはMarkdown記法のサブセットをサポートしており、太字や下線などといった書式(スタイル)に加え、URLやメールアドレス、盤面の座標(“#K10”など)、着手番号(“#30”など)を扱うことができる。また地合いの計算機能なども備えており、指定した局面でどちらが優勢なのかを判断することも可能だ。
また、本ソフトでは“GTP”プロトコルをサポートした囲碁AIを登録して、人対AI、AI対AIで対戦することが可能。たとえば、「GNU Go」であればBen Lambrechts氏が配布しているWindows向けのバイナリをダウンロードして適当な場所に配置し、[Engines]-[Manage Engines]画面からパスと起動オプション(--mode gtp)を登録すると、対局開始画面で「GNU Go」を選択できるようになる。
使いやすいグラフィカルユーザーインターフェイスを備える強力な囲碁AI。マルチプロセッサーとGPUアクセラレーションをサポートし、さらに、深層学習(ディープラーニング)も取り入れている。ハードウェア構成によっては棋界最高位・九段の実力を凌駕するという。思考エンジンのみの配布に加え、GUI付きのインストーラー版が利用可能で、難易度の自動調整機能も搭載されている。
本ソフトを起動すると、9路盤に4つの置石を置いた状態で対局が始まる(ユーザーは先手の黒番)。9路盤は囲碁の初心者が実戦感覚をつかむのに役立つので、初めてならばそのまま対局してみてもよいだろう。新規対局ダイアログでは、まず盤の大きさ・コミ(地のハンディキャップ)・置石の数・黒番か白番かを指定する。盤の大きさは最小で7×7マス、最大でなんと25×25マスを選択可能(標準は19×19マス)。そのほかにも思考エンジンの強さ(“Simulations”の数が大きければ大きいほど強い)と深層学習(Neural Network)を利用するかどうかを指定できる。
本ソフトの面白い点は、バックグラウンドで思考エンジンを動作させて、候補となる着手点を示してくれるところ。たとえば[Tools]-[Show Network Probabilities]オプションや[Tools]-[Show Best Moves]オプションを有効化すると、碁盤上に着手点をヒートマップとして表示することが可能。地合いや模様(勢力圏)を可視化することもできる。なお、入門者にとって「Leela」は少し強すぎるので、囲碁の勉強をしたい場合は[File]-[New Rated Game]メニューから新規対局するのがお勧めだ。この“Rated Game”は30級から開始され、対局を通じて「Leela」がユーザーの強さをはかり、難易度を自動で調整してくれる。
タブレットPCに最適な囲碁アプリ。先手番と後手番を“Human(人間)”に設定すれば、タブレットPCを挟んで友達と囲碁を打つことが可能。他人の対戦記録や定石を再現して学ぶ“棋譜並べ”に利用することもできる。また、ごく低級ながらAIを備えており、CPUとの対戦が可能。無駄な打ち手も少なくなく、囲碁のルールを一通り覚えたユーザーであればすぐに勝てるようになるレベルだが、暇つぶしには使える。
本ソフトはWindows 8.1時代のストアアプリになっており、ホーム画面で対局設定を行い、対局画面では右クリックでアプリバーへアクセスして各種コマンドを実行する仕組みになっている。ホーム画面では黒番・白番の設定や盤の大きさ(Board Size)、利用するルール(日本ルールと中国ルール)、ハンデとなる置き石の数(Handicap)が選択可能。盤の大きさは一般的な19路盤の他にも、13路盤と9路盤が選べる。
対局画面のアプリバーでは、“待った(Undo)”や“投了(Give up)”などのコマンドが利用できるほか、SGF形式での棋譜保存や対戦の再現(Replay)などが行える。盤面を右クリックすると石が置かれてしまうので、アプリバーを出したい場合は盤外でクリックするように気を付けよう。
“対局時計”をパソコンで再現したアプリ。合成音声ながら残り時間の読み上げや秒読みにも対応しているのが特徴。本ソフトは、持ち時間(考慮時間)を“なし”から“10時間”までの計16段階で設定可能。ラジオボタンで選択する仕組みになっており、きめ細かい持ち時間の設定は行えないが、棋戦でよく使われるキリのよい持ち時間がリストアップされているので、それほど困ることはない。
持ち時間のカウントダウンは秒単位で行われる“チェスクロック方式”が基本だが、設定画面から、1分未満の時間消費を切り捨てる“ストップウォッチ方式”も利用可能。また、持ち時間をすべて消費したあとに行われるカウントダウン“秒読み”の設定も、30秒から60秒の間から選べる。一般のチェスクロックは先手・後手それぞれに独立したボタンが設けられているが、本ソフトは先手も後手も真ん中の青いボタンを共有する仕組み。
メイン画面には先手・後手それぞれの残り持ち時間に加え、現在の時刻や手数、どちらに手番があるかが表示される。持ち時間をすべて消費するとカウントダウン画面の背景色が赤くなり、秒読みに入ったことを知らせてくれる。時計を一時的に止める機能も備えているので、来客などで対局を一時中断したい場合も安心。時計の状態を保存・読み込む機能も備わっているので、対局を後日に持ち越して続きを“指し継ぐ”こともできる。
人間同士の対局や人間対将棋AIの対局、将棋AI同士の対局などに対応したGUIの将棋ソフト。“USI(Universal Shogi Interface)”プロトコルに対応した将棋AIを登録して戦わせたり、局面の検討に利用できるのが特徴。本ソフトにもサンプルAI“Lesserkai”が同梱されており、簡単な操作で「将棋所」へ登録・利用することができる。
また、将棋AI同士を何度も連続対戦させて地力を探ったり、複数の将棋AIを参加させたリーグ戦を開催することも可能。1台のPCで複数の将棋AIを動作させるのではなく、それぞれに専用のPCを用意して1対1の通信対局を行ったり、“コンピュータ将棋選手権”のようなサーバー通信対局を行うこともできる。
なお、Windows 8より前の環境では動作に.NET Framework 4以降がインストールされている必要がある。
アマチュア級位者向けの将棋アプリ。強さは“総合的には3級ほど”とのこと。一部の駒を使えなくしてハンデをつける“駒落ち”にも対応しおり、入門者が挑戦するにはちょうどいい強さと言えるだろう。それほど強いわけでもないが、いろいろな戦型で仕掛けてくるので意外に歯ごたえがある。ユーザーは“ねずみ”となり、“神様(つよい)”“たぬき(ふつう)”“ことり(かわいい)”の3つから相手を選び、挑戦することになる。
本ソフトの特徴は、いろいろなルールが選べること。一般的な“通常対局”のほか、“目隠し将棋”、“ランダム将棋”、“10秒将棋”の3つが選択できる。1つ目の“目隠し将棋”は、将棋盤と将棋の駒を利用せずに行う将棋だ。ルールは一般の将棋と同じだが、駒の動きを“7六歩”“8四歩”と声で伝えあいながら対局を進めていく。本ソフトの場合、盤面に駒が表示されず、相手の指し手は合成音声による符号の読み上げで伝えられる。自分の指し手は、盤面上で見えない駒をドラッグして指定する仕組み。
2つ目の“ランダム将棋”は、駒の初期配置をシャッフルする本ソフト独自のルール。先手と後手の駒の配置を同じにする(先後同型)と、かならずしも先後同型にはならない“バラバラ”が選択できる。普通の将棋ではめったに見られない形が頻出するので、定跡の記憶に頼って強くなったタイプの指し手は、手こずるのではないだろうか。
最後の“10秒将棋”は、その名のとおり1手10秒以内に指すルールの将棋。“ランダム将棋”とは異なり、読みの深さよりも早さ、そして感覚が求められる。
そのほかにも、CSA形式による棋譜の読み込み・保存にも対応。特定の条件を満たすことで実績が解除される“チャレンジリスト”や、利用しているPCで将棋AIが1秒間に何手読めるか調べる簡易ベンチマーク機能“占い”といったおまけ機能を楽しむこともできる。
KIF/KI2形式(柿木形式)の棋譜ファイルを閲覧するためのビューワー。この棋譜ファイル形式は、老舗の将棋ソフト「柿木将棋」シリーズと互換性があり、広く利用されている。ドワンゴ主催の棋戦“叡王戦”の棋譜なども本形式で公開されており、ローカルで棋譜を楽しんだり、検討を行ったりするのに利用可能。そのほかにもCSA形式の棋譜ファイルの読み込み・保存に対応している。
棋譜の入力も可能で、任意の局面から始まる棋譜や詰将棋なども入力・保存できるほか、手合い割(すべての駒を利用する“平手”ではなく、一部の駒を落としてハンデをつけること。香落ち、角落ちなど)や、千日手(同じ局面が一局中に4回現れること)の自動検出にも対応する。さらに、それぞれの手には消費時間やコメントを追加可能で、特定の局面にしおりをつけたり、そこから手の変化を分岐させることもできる。
棋譜を解析して、指した手の良し悪しや定跡か否かの判定ができる将棋ソフト。解析は対局中の棋譜と、各種将棋ソフト共通形式のKIFファイルから読み込んだ棋譜に対して実行可能。解析方法は複数用意されており、[定跡表示]では、指した手が定跡にあたるかどうかを本ソフトのデータベースから判定できる。データベースには新たに登録も可能。また、[棋譜解析]では定跡かどうかの判定とともに、“疑問手”や“悪手”の判定も表示できる。さらに、対局中や棋譜を表示した際に、“評価値グラフ”でどちらが優勢かを1手ごとに確認できる。そのほか[次の一手回答]や[詰め将棋回答]も利用可能だが、この場合は「Kifu for Windows」などのほかのソフトを経由してデータを入力する必要がある。
第16回・第21回世界コンピュータ将棋選手権でそれぞれ優勝・準優勝した将棋ソフト。将棋ソフト「CSA将棋」用の思考エンジンとして公開されており、「CSA将棋」の将棋盤を利用して将棋を指す。ZIP形式で配布されているアーカイブを解凍後、“winbin”フォルダ内の実行ファイル“Csa.exe”をダブルクリックすれば、「Bonanza」の思考エンジンで対CPU戦などを楽しめる。将棋盤以外に、本ソフトの設定を行う横長なウィンドウも開き、本ソフトが使用するメモリ量やCPUの思考時間を設定可能。CPU速度やメモリなどのPC性能を上げ、またCPUの思考時間を長くするほど、本ソフトは強くなる仕組みだ。ただし、思考時間を長くすると一般ユーザーでは勝負にならなくなるので、自分のレベルに合わせて思考時間を減らすなど、設定を変更してからプレイするといいだろう。
以上、囲碁・将棋ソフトのランキングを紹介しました。お好きなソフトは何位ですか?次回、連載の記事で他の種類のソフトランキングを紹介します。お楽しみくださいね!
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